1997年 天皇賞(春)はサクラローレル、マヤノトップガン、マーベラスサンデーという現役最強3頭による直接対決となりました。そしてその鞍上は、横山典弘、田原成貴、武豊という3人の名手が揃い踏み、まさに3強の様相を呈していました。TTGなどもそうですが、やはり競馬は3強が盛り上がりますね。
前年の天皇賞(春)、有馬記念を勝ちJRA年度代表馬に選出されたサクラローレル、一昨年の年度代表馬マヤノトップガン、そして、この2頭と伍して渡り合ってきたマーベラスサンデー。
前年度の有馬記念を制しフランス遠征を目論む、目下現役最強の呼び高いサクラローレルでしたが、脚部不安からから前哨戦を使えず有馬記念からぶっつけというローテ。前年の天皇賞(春)サクラローレルに完敗しているマヤノトップガンは、最強馬の座を取り戻すべく前哨戦を完勝し本番に駒を進めました。そして3強最後の一角マーベラスサンデーは、これも前哨戦の産経大阪杯を危なげなく快勝し、悲願のG1獲りへ臨みました。
レースは2週目の向こう正面で、サクラローレルが折り合いを欠き、掛かり気味に早めの先頭へ。打等サクラローレルに燃える武豊とマーベラスサンデーは、これをマークする形で一緒に上がっていきます。一方、道中インで折り合っていたマヤノトップガンは、3コーナーから4コーナーにかけてするすると外に持ち出し、先頭に立つ2頭を目標に直線に向かいます。
直線に入り、完全に2頭で抜け出したサクラローレルとマーベラスサンデーが激しくやりあいます。しかし、掛かり気味にレースを進めたサクラローレルと、それに付き合ったマーベラスサンデーの脚色が鈍るのを狙い澄ましたかのように差し切ったマヤノトップガンの末脚は、まさに閃光のようでした。
このレースのトップガン勝利は、前年に早仕掛けで敗れた田原成貴の好騎乗、いわば勝負のアヤと言えるような、何回やってもこの3頭で決まると思えるような、まさに3強が激突した名勝負といえるのではないでしょうか。